- 平成29年度の法人税の申告所得金額の総額は70兆7,677億円(対前年度比+11.5%)で8年連続増加となり、過去最高を記録。
- 黒字申告割合は34.2%(同+1.0ポイント)で7年連続上昇。
国税庁が10月12日に公表した「平成29事務年度における法人税等の申告事績の概要」(平成30年7月末までの申告を集計)によると、平成29年度における法人税の申告件数は289万6,000件で、申告所得金額の総額は70兆7,677億円(対前年度比+11.5%)となり、いずれも過去最高を記録した(表参照)。申告所得金額の総額は8年連続の増加となっており、国税庁は製造業の申告所得金額の増加が一因となっていると分析している。また、申告税額は12兆4,730億円(同+11.0%)だった。繰越欠損金額控除後の黒字申告割合は34.2%(同+1.0ポイント)、黒字申告件数は99万件(同+4.1%)で、いずれも7年連続で上昇した。
連結納税制度を適用している連結法人の状況をみると、申告件数は1,760件(対前年度比+4.7%)だった。このうち中小企業が多数を占める税務署所管の申告件数は944件で、その割合は53.6%となっている。申告所得金額は14兆1,789億円(同+29.4%)となり、過去最高額だった昨年度の10兆9,602億円をさらに更新した。
「平成29事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要」(平成30年6月末までの納付を集計)においては、源泉所得税等の税額は18兆1,517億円(対前年度比+6.5%)と2年ぶりの増加となった。このうち特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等の源泉所得税額は5,580億円(同+137.2%)と前事務年度に比べて大幅に増加しているが、この点国税庁では、株価が上昇基調に転じたことを受け、個人の株の売買が増加傾向にあることなどが要因となっていると分析している。