• 国税庁は軽減税率制度Q&Aに23問を追加。
  • 自動販売機の販売手数料やセンターフィーは標準税率適用を明確化。OEM契約の取扱いも示す。

国税庁は8月1日、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」及び「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」を一部改訂し、公表した。事業者からの質問等を踏まえたもので、合計23問(軽減税率19問、インボイス制度4問)のQ&Aを追加している。

追加された主だった内容をみると、例えば、飲料メーカー等が自販機設置事業者に支払う自動販売機の販売手数料(いわゆるロケーションマージン)については、自動販売機の設置等に係る対価であり、「役務の提供」の対価に該当することから、標準税率が適用されるとしている。また、小売事業者が所有する物流センターに商品を納入する際に、卸売事業者が支払うセンターフィーについても、物流センターの使用等に係る対価として支払うものであるため、「役務の提供」の対価に該当し、標準税率が適用されるとした。

すでにお伝えしているとおり、いわゆるOEM契約(製造物供給契約)の取扱いも明らかにされた。OEM契約により飲食料品を製造する場合、その取引が「製造販売」であれば「飲食料品の譲渡」として軽減税率が適用され、「賃加工」であれば「役務の提供」として標準税率が適用されるとし、「製造販売」か「賃加工」に当たるかは、契約内容等により判断することになる。製造業者がすべての原材料を支給されているようなケースであれば「役務の提供」として標準税率が適用されることになろう。

軽減税率の対象となる新聞(定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞)についてもQ&Aが追加されている。例えば、新聞販売店がホテルに販売する新聞は、ホテルの従業員が読むもののほか、宿泊客の閲覧用としてロビーに設置するもの及び宿泊客に対して無料配布するものも軽減税率が適用される旨が明らかにされた。ただし、ホテルの売店等で販売されるものは、コンビニや駅売りの新聞と同じであるため、標準税率が適用される。この点、理髪店や病院等で購読する新聞についても考え方は同じとなる。また、インターネットを通じて配信する「電子版の新聞」の販売は軽減税率の適用対象である「新聞の譲渡」には該当しないことから、「紙の新聞」と「電子版の新聞」をセット販売する場合には、対価の額を区分した上で、それぞれの税率を適用することになる。