• 平成30事務年度における法人税の申告所得金額の総額は73兆3,865億円に増加。5年連続で過去最高を記録。
  • 繰越欠損金控除後の黒字申告割合は34.7%(対前年度比+0.5ポイント)で8年連続の上昇。

国税庁が10月17日に公表した「平成30事務年度における法人税等の申告事績の概要」(令和元年7月末までの申告を集計)によると、平成30年度における法人税の申告件数は292万9千件で、申告所得金額の総額は73兆3,865億円(対前年度比+3.7%)となり、いずれも過去最高を記録した(参照)。申告所得金額の総額は9年連続で増加しており、平成26年度から5年連続で過去最高の更新が続いている。また、申告税額は12兆7,922億円(同+2.6%)だった。黒字申告割合(繰越欠損金控除後)は、34.7%(同+0.5ポイント)で、8年連続で上昇した。また、原則として資本金1億円以上の大企業が対象の局調査課所管法人の黒字割合は69.6%、中小企業が多数を占める税務署所管法人の黒字申告割合は34.5%であった。

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連結納税制度を適用する連結法人の申告件数は1,783件(同+1.3%)で、その黒字申告割合(繰越欠損金控除後)は65.1%(同▲1.2ポイント)だった。連結法人における局調査課所管法人の黒字申告割合は79.0%、税務署所管法人の黒字申告割合は52.5%となっている。

「平成30事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要」(令和元年6月30日までの納付を集計)においては、源泉所得税等の税額は19兆1,437億円(対前年度比+5.5%)で、2年連続で増加し、平成6事務年度以降では最高となった。このうち、配当所得の源泉所得税等は5兆460億円と、昨事務年度より7,835億円(同+18.4%)増加している。国税庁は景気の上昇に伴って、上場会社の配当総額が上昇傾向にあることが要因になったのではないかと分析している。