• 令和2年分の確定申告、納税者自身でe-Taxを利用して申告を行った人数が320万7千人と令和元年分から約1.7倍に増加。申告会場に来場して申告した人数(344万6千人)に迫る水準。
  • スマホ申告のうち、マイナンバーカード方式での送信件数は43万2千人と約7倍に増加。

国税庁が6月25日に公表した「令和2年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況について」によると、納税者自身がe-Taxを利用して自宅から所得税等の確定申告書を提出した人数が、令和元年分から約1.7倍に増加し320万7千人になったことが分かった。このうち、自宅からスマホを利用してe-Taxで申告したのは101万8千人で、令和元年分から約2.2倍に増加しており、特にマイナンバーカード方式での申告者数が令和元年分から約7倍に増加し43万2千人となった。国税庁は、スマホ専用画面の対象者の拡大や、スマホによるマイナンバーカード方式の送信方法を簡略化するなど、スマホ申告の利便性向上に努めたほか、申告会場にスマホ申告の体験コーナーを設置することで翌年以降の自宅からのe-Tax利用に繋げる取組を行ってきており、これらの取組が利用者の増加に繋がったと分析している。なお、自宅からe-Taxで申告・提出を行った人数は、申告会場で申告書を作成・提出した人数の344万6千人に迫る水準となった。

令和2年分の所得税等の確定申告書については、提出人員は2,249万3千人(対前年比+2.1%)で、所得金額は42兆5,497億円(同+2.2%)、申告納税額は3兆1,653億円(同▲1.6%)となった。所得金額が1億円超の申告を行った人は2万2,479人であった。このほか、国外転出時課税制度に基づき提出された所得税の申告書の件数は54件、課税対象となる含み益額は436億円であった。

消費税の申告状況に関しては112万4千件と平成24年分以降ほぼ横ばいで推移しているが、申告納税額は6,235億円と平成元年の消費税導入以降過去最高となった。国税庁は、令和元年10月に消費税率が引き上げられてから、年間を通じて適用されたのが令和2年分であることが影響していると指摘している。

なお、国税庁は、コロナ禍で迎えた令和2年分の確定申告について、①来場者の削減・分散、②会場内の混雑緩和、③会場内での基本的な感染防止策の徹底、という三本柱の感染対策を立てており、会場内の混雑緩和策として導入したLINEによる入場整理券のオンライン事前発行については、来場者の3人に1人が利用したとしている。