- 政府、インボイス制度の円滑な導入に向けた第3回関係府省庁会議を開催。インボイスコールセンターでは実務的な相談が増加傾向。実務上の疑問や懸念には、留意事項の業界への周知を徹底することなどを各省庁に依頼。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)の開始まで1か月を切る中、政府は「第3回適格請求書等保存方式の円滑な導入等に係る関係府省庁会議」を8月25日に開催した(内閣府、財務省、国税庁、中小企業庁などが参加)。会議では、4月に開催された第2回会議において内閣府から各省庁へ依頼した、免税事業者等に対する相談体制の強化についての経過報告と、制度開始に向けた課題の有無の確認を行った。
国税庁からは、インボイスコールセンター(インボイス制度電話相談センター)の相談件数等の報告が行われた。インボイス制度に関する相談件数は、令和5年1月以降、確定申告期と原則の登録申請期限が重なった3月の約8万件をピークに、約4〜6万件で推移しているという。相談内容は、制度の概要・趣旨に関するものは1割程度にとどまり、登録や公表制度に関する相談が半数以上を占めており、インボイスの記載事項など、より実務的な相談の割合が増加傾向にあるとした。また、制度開始に向けた周知・広報に関しては、インボイスに登録するか否かを検討している事業者に対して、全国の税務署で開催している登録要否相談会を8月〜9月末までに1,800回開催するなどの取組みを進めるとしている。
中小企業庁からは、事務負担の軽減策としてのIT導入補助金の紹介が行われている。IT導入補助金は、インボイス対応に必要なITツール(会計ソフト、受発注ソフト等)の導入を支援するためのもの。従来は中小企業等に対象を限定していたが、現在は、大企業が中小企業等のためにITツールを購入する場合の費用も補助対象になるよう拡大されている(令和5年6月20日申請受付開始)。
内閣府は今回の報告内容を踏まえ、各省庁に対して、①相談体制や各種支援策、独禁法・下請法上問題となる行為への対応については、制度開始後も引き続き実施し、小規模事業者にも情報が行き届くよう、税制上の各種負担軽減策とあわせて丁寧な周知を行うこと、②制度開始に向けて、より実務的な疑問や懸念が増えていくと考えられることから、事業者の留意事項について業界への周知を徹底することや、実務上の疑問や懸念の声には、速やかに関係府省庁で連携を図り、適切かつ迅速な対応をするように依頼したという。