- 令和4事務年度の法人税の実地調査は6万2,000件。追徴税額の3,225億円は近年で最高値。
- 消費税還付法人に対しては5,810件の実地調査を実施。追徴税額563億円と、調査1件当たりの追徴税額969万円は、過去最高を記録。
国税庁が11月29日に公表した「令和4事務年度 法人税等の調査事績の概要」によると、法人税の実地調査の件数は6万2,000件(対前事務年度+52.3%)であったことが分かった。申告漏れ所得金額は7,801億円、法人税と消費税をあわせた追徴税額は3,225億円であり、追徴税額については平成22事務年度以降で最高額であった。調査1件当たりの追徴税額は524万1,000円と、前事務年度より減少したものの、平成22事務年度以降では過去3番目の金額となっている(表参照)。同庁によると、新型コロナの影響を受けていない平成30事務年度の事績と比較すると低水準であるが、大口・悪質事案を中心に真に調査必要度の高い法人から優先して適正な調査を行っているとした。なお、法人税等の実調率は「3.9%」(税務署所管法人1.9%、調査課所管法人5.9%)であり、調査1件当たりの平均日数は15.3日であった。
また、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請する「簡易な接触」は6万6,000件(前事務年度▲0.7%)実施し、その申告漏れ所得金額は78億円(同▲11.2%)であった。追徴税額は71億円(同▲32.0%)であった。
国税庁が主要な取り組みの一つとしている消費税還付法人に対しては、5,810件の実地調査を実施。追徴税額は563億円、調査1件当たりの追徴税額は969万円となっており、どちらも事績の集計を開始した平成18事務年度以降で過去最高であった。