- 特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)」にはマイナンバーの記載欄設けられず。確定申告書の控え(複写の申告書、e-taxで印字されるもの)にもマイナンバーの複写・印字なし。
- 顧客から所得証明書類の提示を受ける事業者における“意図しない”マイナンバーの閲覧・収集リスクを回避。
金融機関や不動産会社など、営業上、顧客から所得を証明する書類の提示を受ける事業者においては、顧客から確定申告書等の書類を受領した際に“意図せず”にマイナンバーを閲覧・収集してしまうリスクが懸念されている。
所得を証明する書類としては、給与の源泉徴収票や確定申告書、住民税の特別徴収税額の決定・変更通知書などが考えられるが、このうち給与等の受給者に対して交付される源泉徴収票(税務署に提出しないもの)については、10月2日付けで実施された所得税法施行規則の改正により、上場株式配当の支払通知書などとともに、マイナンバーの記載が不要とされたところだ。
そしてこのほど、所得税の確定申告書の控え(複写の申告書、e-taxの確定申告書作成コーナーで印字されるもの)にはマイナンバーは複写・印字されないことが判明した。
さらに、10月29日付の官報で公表された地方税関係の新様式を見ると、個人(従業員)に配布される「特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)」にはマイナンバーの記載欄がないことが確認されている。すなわち、「特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)」にもマイナンバーを記載する必要はないということになる。
受給者交付用の源泉徴収票、確定申告書の控え、特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)のいずれにもマイナンバーの記載が不要とされたことにより、顧客から所得証明書類の提示を受ける事業者が予定外にマイナンバーを閲覧・収集してしまうリスクは大幅に軽減されたと言えそうだ。
なお、「特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)」の新様式は、平成28年1月1日以降の支払いに係る住民税(平成29年1月31日申告期限分)から適用される。一方、平成28年1月31日申告期限(平成27年中の支払いについての申告)の住民税については、新様式ではなく、従来の様式を用いることになる。