- 令和元年分の確定申告、自宅等からスマホを利用して申告を行ったのは47万3千人と、平成30年分から約4倍に増加。
- 消費税率の引上げで、消費税の申告納税額は導入以降過去最高に。
平成30年1月からスマホ等による確定申告が開始されたが、令和元年分では107万5千人が申告書の作成・提出を行っており、このうち自宅等からe-Taxを利用して申告を行ったのは47万3千人にのぼることが国税庁の調査(「令和元年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」、6月26日公表)で明らかとなった。平成30年分から約4倍に増加している。国税庁は、スマホ専用画面の利用範囲が拡大したことや、スマホを利用したマイナンバーカード方式によるe-Tax送信が可能となったことなどから、スマホ申告を利用する納税者が増えたのではないかと分析している。また、ICTを利用して所得税等の申告書を提出した人は1,591万5千人であり、このうち国税庁HPの確定申告書作成コーナーを利用して作成し、e-Taxで提出を行った人は195万人で平成30年分(124万人)から約1.5倍に増加した。
令和元年分の所得税等の確定申告書については、提出人員は2,204万1千人(対前年比▲0.8%)で、所得金額は41兆6,140億円(同▲1.2%)、申告納税額は3兆2,176億円(同▲2.0%)となっており、いずれも減少している。所得税が1億円を超える申告を行った人は2万3,439人であった。また、雑損控除の適用を受けた人は4万2千人(同▲5.0%)で、雑損控除額は1,301億円(同+14.3%)となった。国税庁は、昨年の台風15号や19号などの大きな災害が影響したものとしている。このほか、国外転出時課税制度に基づき提出された所得税の申告書は94件で、所得税の課税対象となる含み益額は734億円であった。
消費税の申告状況については、申告件数は111万4千件と平成24年分以降ほぼ横ばいで推移しているが、申告納税額は6,062億円と、令和元年10月の消費税率の引上げの影響もあり、消費税導入の平成元年以降過去最高額となった。また、贈与税に関しては、申告書の提出人員は48万8千人(対前年比▲1.2%)で、申告納税額は2,500億円(同▲10.3%)と、いずれも平成30年分より減少した。
なお、令和元年分の統計については、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から申告期限等を延長した関係で、令和2年4月末日まで(平成30年度分以前は翌年3月末日まで)に提出された申告書の情報が計数されている。