- 国税庁は1月26日、令和2年7~9月までの路線価等について、大阪府大阪市の一部地域で大幅な地価下落が見られたため、路線価等の減額補正を行う旨を公表。
- 令和2年10~12月分の補正は令和3年4月に公表予定。名古屋市中区錦や大阪市中央区千日前、難波、日本橋、南船場などで補正の可能性。
国税庁は1月26日、令和2年7~9月分の路線価等について、大阪市内の一部地域で大幅な地価下落が確認されたとして、路線価の補正を行うことを公表した。年の途中で地価の大幅な下落によって路線価の減額補正をするのは初めて。
今回、路線価の補正を行うのは大阪市中央区心斎橋筋2丁目、同区宗右衛門町及び同区道頓堀1丁目の三地点。補正率は「0.96」で、代表的な路線の改定後路線価(最高地点)はそれぞれ、心斎橋筋2丁目で2,065万円(令和2年分1月1日時点の路線価2,152万円)、宗右衛門町で2,003万円(同2,087万円)、道頓堀1丁目で1,790万円(同1,865万円)に修正されることとなった。同庁は、近年は訪日観光客が増えたことで地価が上昇していたが、新型コロナの影響により訪日観光客が減少した反動で大幅な地価下落が見られたとしている。
なお、令和2年10~12月分の路線価等の補正については令和3年4月に公表予定となっている。同庁は、今回補正を行った三地点に加えて、名古屋市中区錦3丁目や大阪市中央区千日前、難波、日本橋、南船場などの地域において、7~9月における地価の状況が1月1日時点と比較して15%を超える下落となっているため10~12月分において路線価の補正をする可能性が高いとしている。前回は東京都の浅草なども含まれていたが、今回東京都で15%以上下落した地域は見られなかった。
路線価等は、時価の80%程度を目途に評価しているため、新型コロナの影響で相続税の申告までに地価が20%以上下落し、路線価が時価を上回る逆転現象が起きた場合は、補正率を乗じた評価ができるよう検討されていた。令和2年1~6月までの期間は路線価が時価を上回る状況が確認されなかったため、路線価等の補正を行わない旨が公表されていた。