- 雇用調整助成金、事前の休業等計画届の提出が不要の場合でも、一定条件を満たし経費が発生した日の属する事業年度に会計上も収益計上している場合は税務上も容認。
国税庁は3月26日、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」を更新し、法人が交付を受ける助成金等の収益計上時期の取扱い(問7)について、「事前の休業等計画届の提出が不要の場合」の収益計上時期の取扱いを追加した。
国や地方公共団体からの助成金等については、原則として交付決定日の属する事業年度に収益計上することになるが、助成金等が経費を補填するために法令の規定等に基づき交付されるものであり、あらかじめその交付を受けるために必要な手続をしている場合には、その経費が発生した事業年度中に助成金等の交付決定がされていないとしても、助成金等の収益計上時期はその経費が発生した日の属する事業年度として取り扱うとしている(法基通2-1-42)。必要な手続とは、休業手当について雇用調整助成金を受けるための事前の休業等計画届の提出などが該当するが、現在は、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置により、事前の休業等計画届の提出は不要とされているため、原則どおり交付決定日の属する事業年度に収益計上するとしている。
今回新たに追加された取扱いでは、事前の休業等計画届の提出が不要の場合であっても、交付申請を行っており、交付を受けることの確実性が認められ、経費が発生した日の属する事業年度に会計上も収益計上しているときには、税務上もその処理を認めることとされている。
また、助成金等の収入計上時期の取扱い(問9-2)について、「固定資産の取得又は改良に充てるための交付を受ける国庫補助金等に係る総収入金額不算入」の記載を追加。助成金等の交付目的に適合した固定資産の取得等をした場合(助成金等を返還しないことがその年の12月31日までに確定した場合)において、一定の要件を満たすときにはその固定資産の取得等に充てた部分の金額に相当する金額を総収入金額に算入しないこととされている(所法42条)。この場合、総収入金額に算入しなかった固定資産の取得等に充てられた金額に相当する金額(助成金等相当額)については、その固定資産の取得価額から控除するとされている。したがって、助成金等相当額の総収入金額不算入に合わせて、助成金等相当額を固定資産の取得価額から減額することで、課税の繰延べができると解説している。