- 令和2年度分の会社標本調査、利益計上法人数が10年ぶりに減少。
- 業種別では、運輸通信公益事業の所得金額が、新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛の影響を受けて減少傾向。
国税庁が5月27日に公表した令和2年度分の「会社標本調査」によると、連結子法人を除いた全法人279万560社のうち、利益計上法人の数は105万782社(前年度比▲0.3%)と、10年ぶりに減少したことが明らかとなった。同庁によると、全てが新型コロナの影響とは言えないが、要因の一つにはなっているとした。他方、全法人数のうち、欠損法人の数は173万9,778社(同+2.9%)と2年ぶりに増加した。なお、欠損法人の割合は62.3%(同+0.7ポイント)となっている。
営業収入金額については1,350兆943億円(同▲9.1%)と2年連続で減少しているが、所得金額は63兆7,868億円(同+0.8%)と2年ぶりに増加した。業種別で、所得金額の増加額が最も大きかったのは世界的な株高の影響を受けた「金融保険業」であったが、鉄道や飛行機などの「運輸通信公益事業」の所得金額は減少傾向にあり、新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛の影響が出たものであると分析している。
繰越欠損金の当期控除額は7兆245億円(前年度比+9.9%)、翌期繰越額も71兆2,651億円(同+16.9%)と、いずれも大幅に増加した。このほか、寄附金支出額は8,861億円(同+31.7%)で2年ぶりに増加した。交際費の支出額については2兆9,605億円(同▲24.9%)で2年連続減少している。
なお、連結子法人を含む全体の法人は280万4,371社で、このうち連結親法人は1,823社(前年度比+5.9%)、連結子法人は1万3,811社(同+6.4%)となっている。また、法人税額は、11兆1,779億円で、前年度より336億円(▲0.3%)減少している。