• 令和3年分の確定申告、納税者自身がe-Taxを利用して申告した人数(442万4千人)は、税務署の申告会場で申告書を作成・提出した人数(331万人)を初めて上回る。
  • 贈与税の納税人員及び申告納税額は現行の110万円の基礎控除に移行した平成13年以降最高。申告納税額は3,327億円と前年に比べて20%増加。

国税庁が6月23日に公表した「令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」によると、納税者自身がe-Taxを利用して自宅等から所得税等の確定申告書を提出した人数は442万4千人にのぼっており、初めて税務署の申告会場で申告書を作成・提出した人数(311万人)を上回ったことが分かった。このうち自宅等からスマートフォンを利用してe-Taxで申告した人は152万8千人となっている。特にマイナンバーカードを利用してスマホ申告した人は85万1千人と、令和2年分から約2倍に増加した。国税庁は、スマホ専用画面を拡大したほか、スマホのカメラで撮影して自動入力する機能を追加したことや、カードリーダライタ不要でもe-Taxを利用できるようにしたことなど、スマホ申告の利便性向上に努めたことが利用者の増加に繋がったと分析している。なお、令和2年分から導入しているマイナポータル連携については、令和3年分から医療費控除やふるさと納税の連携が始まったこともあり、33万9千人が利用している。

令和2年分の所得税等の確定申告書について見ると、申告人員は2,285万5千人(対前年比+1.6%)で、所得金額は46兆2,398億円(同+8.7%)、申告納税額は3兆7,915億円(同+19.8%)であった。また、贈与税に関しては、申告書の提出人員は53万2千人(対前年比+9.5%)で、納税人員は38万9千人(同+9.7%)、申告納税額は3,327億円(同+20.0%)といずれも増加した。納税人員及び申告納税額は現行の110万円の基礎控除に移行した平成13年以降最高となっている。国税庁は、贈与の課税価格が1億円以上の申告件数や金額が昨年より増えたことが、全体を押し上げた一因であると分析している。

このほか、暗号資産取引に係る収入がある人の「その他の雑所得」の状況を見ると、8万2千人が申告しており、その金額は3,348億円であった。内訳をみると、暗号資産取引に係る収入がある人は8万人で、その金額は2,834億円、個人年金保険に係る収入及び暗号資産取引に係る収入の両方がある人は2千人で、その金額は514億円となっている。