• 令和3事務年度における法人税の申告所得金額の総額は79兆4,790億円に増加し、過去最高を記録。

国税庁が10月31日に公表した「令和3年度における法人税の申告事績の概要」によると、令和3年度における法人税の申告件数は306万5,000件で、申告所得金額の総額は79兆4,790億円(対前年度比+13.3%)となり、申告所得金額の総額が過去最高であったことが明らかとなった(参照)。申告税額は13兆9,232億円(同+14.9%)となっており、申告所得金額及び申告税額が増加した要因について同庁は、大半の業種で申告所得金額が増加しているが、特に製造業(製造業の例:鉄鋼業、金属製品製造業、自動車などの輸送用機械製造業など)が全体を押し上げているものであるとした。なお、繰越欠損金控除後の黒字申告割合は35.7%(同+0.7ポイント)で2年ぶりに上昇に転じている。原則として資本金1億円以上の大企業が対象の局調査課所管法人の黒字申告割合は67.4%、中小企業が多数を占める税務署所管法人の黒字申告割合は35.4%であった。

また、連結納税制度を適用する連結法人の申告件数は1,946件(対前年度比+1.4%)で、繰越欠損金控除後の黒字申告割合は61.4%(同+3.3ポイント)だった。連結法人における局調査課所管法人の黒字申告割合は75.9%、税務署所管法人の黒字申告割合は48.9%となっている。

「令和3事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要」(令和4年6月30日までの納付を集計)においては、源泉所得税等の税額は20兆6,919億円(対前年度比+8.5%)で2年ぶりに増加し、過去最高となった。主な所得について見ると、配当所得の税額が5兆5,052億円(同+14.6%)、特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等の税額は8,150億円(同+50.4%)であり、いずれも過去最高を記録している。