- 令和3事務年度の法人税実地調査は4万1,000件と、新型コロナが影響して低水準も、前事務年度より回復傾向。
- 法人税・消費税に係る簡易な接触件数は6万7,000件。申告漏れ所得金額(88億円)と追徴税額(104億円)は過去最高。
国税庁が12月5日に公表した「令和3事務年度 法人税等の調査事績の概要」によると、法人税の実地調査の件数は4万1,000件(対前事務年度+63.2%)であることが分かった。申告漏れ所得金額は6,028億円(同+14.0%)、追徴税額は2,307億円(同+19.2%)と、いずれも増加している。同庁によると、調査件数と追徴税額は新型コロナの影響を受けて例年より低い水準であるものの、過去最低の数字となった前事務年度からは回復傾向にあるとした。調査1件当たりの追徴税額は570万1,000円(同▲27.0%)と減少するも過去2番目に高い金額であり、高い水準を維持している。また、法人税等の実地調査率は「1.3%」(税務署所管法人1.2%、調査課管法人4.2%)で、調査1件当たりの平均日数は17.4日であった。
また、電話やはがき等の送付による簡易な接触は6万7,000件実施した。その結果、申告漏れ所得金額は88億円、追徴税額は104億円となり、どちらも過去最高を記録した。なお、新型コロナの影響を受ける前の平成30事務年度と比較しても、いずれも大幅に増加している(表参照)。
実地調査件数と簡易な接触件数を合計した法人税・消費税の接触率((税務署実施の実地調査件数+簡易な接触件数)÷税務署所管法人数)は「3.3%」であった。
国税庁が主要な取り組みの一つとしている消費税還付申告法人に対しては、4,252件の実地調査を実施。このうち、非違があったのは2,877件で、追徴税額は372億円にのぼっている。