• 政府、インボイス制度の円滑な導入に向け、関係府省庁会議を開催。個人事業者への制度の周知徹底や、4月以降の登録申請でも令和5年10月1日に登録を可能にするなどの柔軟な対応を行う方針。

政府は、今年10月から開始されるインボイス制度(適格請求書等保存方式)の円滑な導入に向けて、内閣府、財務省、国税庁、中小企業庁をはじめとする関係府省庁会議が1月16日に開催され、個人事業者等へのインボイス制度の周知徹底や、4月以降のインボイス制度の登録申請についても令和5年10月1日に登録できるよう柔軟な対応を行う方針を示した。

国税庁によると、インボイス登録が見込まれる課税事業者に対し、早期に制度への対応・準備を推し進められるよう、登録申請の原則期限(令和5年3月31日)にフォーカスして周知広報を実施してきたところ、令和4年12月末時点で、法人課税事業者の約75%が登録を行っているとしている。一方で、個人課税事業者の登録割合は約34%にとどまっており、個人事業者に対する周知広報が課題となっていた。

インボイス制度の導入にあたっては、制度を理解していない中小事業者や個人事業者が多く、国税庁には業種・業態に応じた説明が必要であるとの声が寄せられている。また、令和5年度税制改正大綱においては「事業者が抱える問題意識や課題を丁寧に把握しながらきめ細かく対処していく」と柔軟な対応が求められていることから、同庁では、登録を検討している事業者に対して、税制改正大綱の内容を説明するとともに、4月以降の申請も可能である旨を案内するなど、中小事業者や個人事業者に対してより一層寄り添った対応をするとしている。あわせて、インボイス制度が開始される令和5年10月1日から登録を受けるためには、原則として3月末までに申請書を提出する必要があったが、事業者の準備状況にバラつきがあることや、支援措置の追加も踏まえて、4月以降の登録申請であっても令和5年10月1日に登録が可能になるようにした。具体的には、4月以降の登録申請で10月1日に登録を行うには3月末までの申請が「困難な事情」を登録申請書に記載する必要があったが、この記載を不要とする。

ただし、e-Taxから登録申請を行った場合は、番号の通知までに約3週間、紙で申請を行った場合には約2か月かかるため、直前の9月末に登録申請した場合、10月の制度開始までに登録番号の取得は間に合わないとされている。国税庁は、余裕をもって申請することを呼びかけている。