• 国税庁、障害者相談支援事業等に係る消費税の取扱いを公表。障害者相談支援事業は、消費税法上、非課税となる社会福祉事業に該当せず。課税対象に。
  • 市町村が社会福祉法人に同事業を委託する際に非課税と誤認しているケースも。委託料を非課税として申告に含めていなかった場合には修正申告の必要あり。

社会福祉法上の社会福祉事業として行われる資産の譲渡等については、消費税が非課税となるが、「障害者相談支援事業」については、障害者に対する日常生活上の相談支援を行うものであり、社会福祉法に規定する社会福祉事業には該当せず、消費税の課税対象となる。ただ、市町村によっては、「障害者相談支援事業」を社会福祉事業と誤認し、誤って非課税として取り扱っているところも一定数存在するようだ。

このため、厚生労働省は令和5年10月4日に事務連絡を発出し、①障害者相談支援事業は消費税の課税対象であり、②自治体が当該事業を民間事業者に委託する場合、消費税相当額を加えた金額を委託料として受託者に支払う必要がある旨を周知しているが、国税庁は4月26日、改めて障害者相談支援事業等に係る消費税の取扱いを明らかにする質疑応答事例や「障害者相談支援事業等に関連するお問い合わせ(Q&A)」を公表し、注意を促している。

例えば、Q&Aによれば、障害者相談支援事業に係る委託料を非課税と誤認して申告に含めていなかった場合には、修正申告が必要になるとしており、加算税や延滞税が課される場合があるとしている。市町村から障害者相談支援事業は消費税が非課税となる旨を聞いていた社会福祉法人も多いようだが、市町村の誤った指導を信頼したとしても加算税や延滞税について免除は困難だとしている。なお、市町村の中には、修正申告の対象期間の委託料に係る消費税等及び延滞税等の相当額を対象となった社会福祉法人に支払うところも多いようだ。