- 令和4年度分の会社標本調査、全法人数、利益計上法人数が過去最高を記録。
- 国税庁、業種別の所得金額は、コロナ禍からの規制緩和や円安、国際問題による資源価格の高騰が増減に影響を与えていると分析。
国税庁は6月20日、「令和4年度分会社標本調査結果」を公表した。全法人の数は290万9,847社(前年度比+6.1万社、同+2.2%)と10年連続で増加し、過去最高を記録した。このうち、利益計上法人は113万2,434社(同+4.2万社、同+3.8%)と過去最高、欠損法人は177万7,413社(同+2.0万社、同+1.1%)となっている。令和4年4月1日以後に開始する事業年度から、グループ通算制度が開始されたこともあり、全法人数には連結子法人を差し引いた親法人数と、グループ通算制度を適用した法人(通算法人)が混在している。国税庁によると、増加した全法人数6.1万社のうち、通算法人は1万社程度あるとしている。
また、営業収入金額は、1,722兆2,818億円(前年度比+16.5%)、所得金額は80兆359億円(同+5.9%)と、いずれも増加し過去最高となった。所得金額の増加額・増加率を、単体法人で集計した業種別に見ると、増加額が最も大きいのは「卸売業」(+8,358億円)、次いで「サービス業」(+4,665億円)、「運輸通信公益事業」(+4,056億円)となっており、増加率では「鉱業」(+33.7%)、「料理飲食旅館業」(+30.2%)、「農林水産業」(+22.4%)の順であった。国税庁は、個社の申告の積み上げによるものであるが、コロナ禍からの行動制限の緩和や、為替が円安にあること、国際問題による資源価格の高騰などが、各業種の所得金額の増減に影響を与えていると分析している。一方で減少額が最も大きかったのは「金融保険業」の▲4,969億円であるが、同庁によると、単体法人を業種別に示した結果であるため、グループ通算制度を適用した法人が抜けたことで減少額が大きくなったとしており、金融保険業の景気を反映したものではないとした。
交際費等の支出額は、3兆5,820億円(前年度比+25.7%)で、平成30年度以来4年ぶりに増加に転じた。同庁は、コロナ禍からの規制緩和によるものが増加した大きな要因であるとした。また、寄附金の支出額は1兆269億円(同+0.4%)と3年連続で増加したものの、前事務年度からはほぼ横ばいで推移している。
このほか、法人税額は、14兆2,443億円(前年度比+7.5%)と増加した一方、繰越欠損金の当期控除額は9兆3,400億円(同▲7.4%)に減少している。