- 東京地裁、換地処分に係る収益の額は、換地処分の公告があった日の翌日の属する事業年度の益金に算入すべきとして、原告の請求を棄却(令和6年10月29日判決)。
都市再生機構は、土地区画整理事業の施行者として、埼玉県知事から認可を受けた換地計画において、原告(不動産賃貸分譲等を行う法人)に対し、換地処分通知書を送付した。埼玉県知事は、平成29年2月17日、本件事業に係る換地処分の公告をし、本件各従前地については、本件換地処分に関する登記が行われた。その後、都市再生機構は、原告に対し、平成29年8月25日付けで、土地区画整理法94条に基づき交付される清算金の金額を通知した。
原告は、平成29年5月期においては、本件換地処分に関する経理処理をせず、本件各従前地を引き続き保有しているものとして固定資産に計上しており、平成30年5月期に、本件換地処分に関する固定資産売却益を計上していた。
処分行政庁は、本件換地処分に係る収益の額は、原告の平成29年5月期の所得の金額の計算上益金の額に算入すべきであるとして各更正処分等を行った。
これを不服とした原告は訴訟を提起し、換地処分は、法人税法22条2項の「譲渡」に当たらず、「取引」にも当たらないから、本件換地処分に係る収益の額は、同項が規定する「益金」に該当しないと主張した。
東京地裁は、法人税法22条2項が規定する「取引」について、「法人の所得を構成する純資産の増加をもたらす原因となるべき一切の事実を意味する」との解釈を示し、また、収益の計上時期については、最高裁平成5年11月25日第一小法廷判決を引用して「その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する年度の益金に計上すべきもの」とし、権利確定主義の考え方を示した。
その上で、純資産の増加をもたらす換地処分は、法人税法22条2項の「取引」に当たり、換地処分に係る収益の額は「益金」の額に算入すべきとして、換地は、換地処分の公告があった日の翌日に従前地とみなされ、清算金も、同日に確定し、従前地の所有者等は、その請求権を得、又は納付義務を負うことになるのであるから、換地処分に係る収益の額は、換地処分の公告があった日の翌日を含む事業年度において法人の収益の額に計上されるべきものであるとの考えを示した。
そして、以上のことから、本件換地処分に係る収益の額は、原告の平成29年5月期における収益の額として益金の額に算入すべきと結論づけた。